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動脈硬化性シリーズ(2)

2015.01.29

従来は総コレステロール値が高いと治療薬を飲みましょうということでしたが、現在では違います。コレステロールには善玉コレステロール(HDL-C)と悪玉コレステロール(LDL-C)があります。 HDL-Cはいわば血管内の掃除機で、 LDL-Cは血管内にたまるゴミと考えてください。つまり血液中にゴミが多いと動脈硬化は進行し、掃除機が多いと動脈硬化は退縮するということです。

 

1次予防 LDL-C/HDL-C≦2
2次予防 LDL-C/HDL-C≦1.5

 

一般にHDL-Cの2倍以上LDL-Cがあると動脈硬化は進行すると言われています。
HDL-Cの1.5倍以下にLDL-Cをコントロールできれば動脈硬化は退縮し、心筋梗塞や脳梗塞を予防できます。
現在ではHDL-Cを上昇させLDL-Cを低下させる良い薬があります。掃除機とゴミの割合が悪い方は投薬、食事療法、運動療法でLDL-C/HDL-C≦1.5になるようにコントロールし、心筋梗塞や脳梗塞を予防しましょう。

動脈硬化性シリーズ(1)

2015.01.29

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人は年齢とともに血管が老化します。これが動脈硬化です。
しかし動脈硬化性疾患(高血圧症、高脂血症、糖尿病)を放っておくと動脈硬化は さらに進行し、脳出血や心筋梗塞などの怖い病気を起こしやすくなります。
きちんと薬を服用し、血圧、コレステロール、血糖をコントロールすることは動脈硬化の進行を遅らせ、脳出血や心筋梗塞の予防につながるのです。

 

【高血圧症】
高血圧症は正しく治療しないと動脈硬化が進み脳梗塞や脳出血などのリスクが高くなります。毎日の早朝血圧が140/90 以上ある場合は適切な治療を受ける必要があります。出来るだけ早く内科を受診しましょう。

 

【降圧目標】
高齢者患者 / 140/90mmHg 未満
中年者患者 / 130/85mmHg 未満
ハイリスク患者 / 130/80mmHg 未満

 

※ ハイリスク患者とは、糖尿病や高脂血症や腎障害を合併している患者さんのことです。
高血圧症の治療は医師から処方される薬に頼らず、生活習慣の改善を行うことが非常に重要です。なかなか難しいことですが、出来ることから徐々に始めてみましょう。

 

<生活習慣の改善>
食塩摂取制限( 6g/日以下)、野菜や果物の積極的摂取、コレステロールの摂取制限、
適正体重の維持、アルコール摂取制限、適度な運動、禁煙

 

高血圧症の治療の進めていく上で、色々な検査を定期的に受ける必要があります。副作用の有無、動脈硬化の程度、心臓への負担、脳梗塞の可能性などを様々な検査で評価していきます。

 

<検査項目>
血液検査、尿検査、胸部 X-P、心電図、頚動脈エコー、心エコー、動脈硬化検査

頭痛シリーズ(3)

2015.01.29

【緊張型頭痛/症例】60歳 男性
デスクワークの仕事をしている。以前より肩こりがあり、時々首こりと頭痛が起こる。頭痛は後頭部から側頭部にかけて締め付けるような頭痛でヘルメットをかぶっているように感じることもある。近くの病院で精密検査を受けたが異常はなかった。病院でもらった薬を飲んでも良くならないため、マッサージや針治療にも通っている。

 

【解 説】
普段から肩こりがあり、悪くなるとだんだん首こりから頭痛になるパターンが典型です。緊張型頭痛は頭部の筋肉が酸素不足になり、悲鳴を上げている状態です。日常生活でのストレスが非常に多かったり、また上手にストレスを発散できていない事が原因で交感神経が異常緊張し頭部の血流不足を引き起こします。頭の外側が痛いのですから、内側を検査しても異常は見つかりません。血流不足が原因なので、マッサージや入浴で血流が改善すれば2時間位は楽になります。

 

治療は肩、首、頭の血流不足を改善することです。要するに、肩こりのコントロールが最も重要になります。ストレスの原因を減らす努力をしましょう。また50歳を超えてくると、動脈硬化性疾患(高血圧症、糖尿病、高脂血症)も同時に治療する必要があります。

 

<生活習慣の改善>
ストレスを減らす、肩関節の運動

 

<治 療>
星状神経節ブロック、キセノン照射、鎮痛薬、抗うつ薬、漢方薬、動脈硬化性疾患の治療

頭痛シリーズ(2)

2015.01.29

【片頭痛/症例】25歳 女性
十代の頃からこめかみにズキンズキンの頭痛があり、生理が始まる前後には必ず起こる。ひどいときには吐き気を伴う。頭痛が起こる直前に目の前がチカチカする。頭痛が起こっているときは光がまぶしく、周りの音がうるさく聞こえる。最初のうちは市販薬で治っていたが、今は2錠飲んでも治らないだけでなく、悪くなることもある。

 

【解 説】
これは片頭痛の典型です。
片頭痛は頭の中の血管の痛みなので、ズキンズキンと拍動しています。女性の場合、ホルモンバランスと関連があるため生理痛が強い人に片頭痛は多い傾向にあります。前兆はある人もあればない人もあります。光過敏と音過敏も伴うことがあります。市販薬は月に1,2回程度の服用であればかまいませんが、10回を超えてくると逆に頭痛の程度も強くなり回数も増えてしまいます。

 

片頭痛は”holiday headache”(休日の頭痛)とも言われており、気が緩んでいるときに良く起こります。またアレルギー性疾患(気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎)や消化器疾患(逆流性食道炎、過敏性腸症候群)がある場合は同時に治療していくこともあります。

 

頭痛の中でも特に片頭痛は通常の市販薬の長期服用で難治性になりますので、病院で処方される適切な薬を服用するようにして下さい。

 

<生活習慣の改善>
市販薬の禁止、チョコレート、柑橘類、アルコールなどの禁止、規則正しい生活

 

<治 療>
星状神経節ブロック、キセノン照射、トリプタン製剤(片頭痛の特効薬)、ロイコトリエン拮抗薬(片頭痛の予防薬)、漢方治療(生理痛などのコントロール)

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